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5月8日座談会7

永:
昨日たまたまテレビで、京都とフランスの若手料理人が出ていました。
そこでの話は、フランス人は食に対する感性が強いということです。
一方、アメリカ人は食にエンターテイメント性を求めます。
日本人同様フランス人は、味わい・味覚に対する繊細さを求めるんですね。

日本とは相通じるものがあるけど、表現の仕方が違うようです。
西洋人が理解している日本料理と、日本人の日本料理も違う。
その違いをちゃんと理解してもらおうと言うコンフェレンスのドキュメンタリーでした。

フランスにいって京都の料理を披露したら、その繊細さ対する同質性と、表現の仕方に対する斬新性に対して、フランスの若手料理人から拍手喝采を浴びたそうです。

篠さんの写真に対する感じ方ってきっとそういうことなんですよね。

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篠:昔日本画家の方とあった。イタリアに行ったらさぞはじけるかと思ったら、向こうはほとんど褐色なんです。シエナの土を焼いて、建物も土のレンガ、大地の色。そこに緑や花の色、女性の服の色が映えるんですね。街ですと褐色が基本なんです。

日本に帰ってくると、逆に色彩があふれすぎてしまっているんです。しかし、お互い異文化に接することを望んでいますよね。

イタリア映画祭りに行きました。


芸術と愛は共通していますよね。いつもハングリーでないといいものは生まれない。満たされてるとだめです。6色しかない絵の具からのほうが面白いものが生まれる。
欲が満たされていると芸術は生まれてこないんです。
感性の格差を日本人はもっと追求したほうがいいと思いますね。

日本と西洋の違いとして、自然が違います。日本は独特の湿気がある。

ワインは最初は目で楽しむ、次に香り、それから口。
イタリアでは最初に「チンチン」と言いますが、それは最後に耳で楽しむためだと聞いたことがあります。
芸術の最終兵器は音楽だと思うんですね。
音はだまってても聞こえてくる。鳥の声とかね。
星野さんという冒険家が、アラスカでテントで寝ていたら黄色いテントの向こうに何か見えて、
もうだめかと思ったそうです。「何故銃を持たないのか」と聞いたら、銃を持つと
安心して自然の気配に鈍くなる、それが怖いからだ、と。
彼は最後にはシベリアで熊に教われて死にましたが、それは彼の覚悟の上だったんですね。
こういうのは、都会でも大事だと思います。
絶えず飢えていないと。
今度生まれ変わったらパバロッティみたいになりたいね。歌って、道具なしで人を感動させる事ができるんだから、憧れの仕事です。

by project13percent | 2005-05-08 10:24 | 座談会II May 8, 2005


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