渋澤 さて、そろそろまとめなければという時間になりました。
「人間」という「間」を埋めるには、楽しさとかワクワクが必要ということが必要。
「空間」という「間」の格差は、広がったり、縮まったりする。
この格差を広げたり、埋めたりすることがイノベーションということだと思います。
さて、「時間」とい「間」のところはどうしましょうね。
過去から学ぶということでしょうかね、守屋さん?
守 孔子が最高道徳だと考えていた概念に、「仁」というものがあります。この仁はいろいろに解釈されていますが、漢学者の安岡正篤さんは「すこやかに育むこと」だという指摘をしていました。では、何を育むのか? 中国古典の『大学』にこんな言葉があります。
まず自分自身を育くむ(修身)
次に家族をまとめる(斉家)
さらに国家をきちんと治める(治国)
世の中を太平にする(平天下)
つまり、自分を育み、家族を育み、国を育み、天下を育む、と順をおって、対象がどんどん大きくなっていくわけです。
これは時間的にいえば親や祖先に育まれたことを子孫に返し、空間的にいえば周囲から自分が育まれてきたことを、また社会に返していくという思想になります。
この、対象を大きくしていくというプロセスは非常に重要な意味をもっています。
たとえば、幼い子供同士の喧嘩って、大人からみれば、どうでも良い理由だし、仲良くすれば、という程度のものがほとんどだと思います。
ところが国同士の領土争いになってくると、どうでも良いじゃないとは、誰もいえなくなってきます。
でも、もし自分が銀河系くらいの大きさの視点に立ってみれば、国同士の領土の争いだって、小さい小さい、つまらないことだし、仲良くすればいいじゃない、そんなもの、となるわけです。
この意味で、なるべくものの捉え方を大きくすることで、間というもののマイナス面を乗り越えることもできますし、前向きな気持ちで試行錯誤しながら、自分や周囲を育むことができるようになっていくわけです。
愛
守屋さんのおっしゃっている「育む」という視点はとても大切ですよね。
私は女性なので、子宮という器官を身体の中に持っています。
子宮というのは新しい生命を生み出し、育むところですから
それを意識すると、実は人間ってすごいことができるのだな~と感じ、
生命のつながりとか非常に大きな存在を感じることがあります。
つまり生命を生み出す「宇宙」そのものが自分の身体の中にあるんですよね。
その子宮の役割である「育む」ということを意識して、人間と社会というものを見た時に、
とても大きな視点でものをみることができるような気がするのです。
そういう視点からだと、自分や周囲に対してもっと優しくなれるし、失敗を恐れず
希望を持って、社会に役立つことを自分らしくわくわくやっていけたらいいな~
と思います。
そういう個人がたくさん増えていったら、日本ももっと楽しい国になりそうですよね。
会場からの意見
私は「希望各差社会」という本を読んだのですが、現在希望を
持つことができる人と、それができない人の二極化が進んでいる
と言われています。
その両者の間を詰めるためにプロジェクト13%を活用してもらいたい
と思いますね。